◆ 国内の不動産業界の現状は?

出典・参考資料:業界動向SEARCH.COM

平成27-28年の不動産業界の業界規模(主要対象企業133社の売上高の合計)は12兆3,387億円となっています。(教育業界の主要企業27社の合計売上)2020年のオリンピック需要の影響で業界全体の業績は上がってきていると言えます。

平成24年末には政権交代によりアベノミクスが始動。状況が好転し、平成25年には消費増税前の駆け込み需要など特需も重なり、住宅、マンションの売れ行きも好調に。平成27年には東京都心部のオフィスビル賃貸の好調が起因し、業績はさらに拡大しています。近年の不動産業界の拡大をけん引しているのが、東京都心部のオフィスビル開発です。また、国が進める国家戦略特区の容積率緩和もオフィスビル開発を推進する要因となっています。

不動産業界は、2020年の東京五輪をめどに再開発のラッシュが続き、業界全体の拡大が見込まれます。しかしながら、五輪後の国内の動向を見ると厳しい状況が予想されます。こうした将来的な動向を見据え、不動産大手各社は海外へと活路を見出しています。

人口が増加し、経済が成長する国では必ず不動産が必要になります。実際に、インドネシアやベトナム、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、インドなど日本の周辺国は今後目覚ましい発展が予想されます。日本の不動産大手もこうした動向を踏まえ、それぞれの国で種をまきはじめています。

東京五輪を終えた2020年以降はこうした海外展開がさらに加速すると予想され、日本の不動産業界は新たなステージを迎えることになるかもしれません。

◆ そもそもRetech(リーテック)とはなんぞや?

不動産テックは、「不動産」と「テクノロジー」を組み合わせた用語で、ReTech(リーテック)とも呼ばれます。「不動産」と「テクノロジー」が融合したサービスを指します。具体的には不動産取引の透明化や利便性の向上に向けて、「ビッグデータ」、「AI」、「VR」を活用したサービスなどが考えられます。

参考資料:不動産テック(ReTech) – ホームズ

◆ Retechで期待される不動産業界の変化は?

① 情報の可視化 価格の透明性
今後、垣根を超えた情報提供が実現し不動産業界でビッグデータが活用されると、我々にとってはメリットが大きい。その一つが価格の透明性です。ビッグデータとして平均相場などの情報が開示されることで、より公正・適正な価格を知ることができ、その上で取引ができるようになる。住居購入希望者・土地、物件の販売希望者の双方にとって、判断の手助けとなるはず。

② AIによる正確なレコメンド
そこで活用が期待されているのが、AIによるレコメンド機能です。AIが物件情報を読み取り、蓄積する。その大量の情報を基に、ユーザーの希望に沿った物件を迅速に提案してくれる。利用者にとっては、サービスの均質化が進むことでメリットがある。加えて、業界内では人件費の削減にも期待できるため、双方に利点のある仕組みです。

③ 視覚的アプローチ
不動産業界は、VR(Virtual Reality:仮想現実)との相性も良い。一部ではすでに「VR内覧」が導入されている。VR内覧では、その場で部屋の間取りやイメージを視覚的に体感することができるため、実際に物件まで移動する時間と手間を省くことができる。新築物件においても、視覚的アプローチに期待が集まっている。現在は、完成イメージは図面や模型での確認が一般的だ。VRや映像などの視覚的アプローチを取り入れることで、完成イメージ図をよりリアルに確認することが可能になる。購入者、設計・デザイナー、施工業者と具体的なイメージを共有することができるため、完成後の失敗や後悔も少なくなる。

参考資料:「ReTech」で未来の不動産はどう変わる?

◆Retechサービス一覧

Atlicu
→ 不動産会社の顧客とのコミュニケーションをサポートする不動産業界特化型チャットアプリ。不動産会社向けのユーザーとのやりとりができるチャットサービス。スマートフォンアプリやPC版管理画面からメッセージを作成し、お客様との連絡の手間を改善。不動産に特化していることで、物件情報やメッセージ以外のコンテンツも送ることもできる。たとえば内覧申し込みや、電子契約書での契約や、初期費用の支払いなど、アプリ上でさまざまなコンテンツのやりとりが可能。

不動産ビジネスセンター
→ 顧客やオーナーが知りたい様々な情報を網羅したレポート作成ツール。約70のサービスコンテンツを利用できる。例えば、物件事例の閲覧・価格査定だけでなく、調べたい場所の周辺環境情報、統計情報、ハザード情報などを簡単かつ素早く収集可能。
<活用場面>
① 売買
売主様から専任で任される為に
物件案内時の追加資料として
仕入れ検討物件の下調べに
融資時の銀行への添付資料として
② 賃貸
賃貸物件の成約率向上へ
賃貸オーナー様への提案資料として
③ 建築
土地の健康診断書として
施主様への提案資料の一つとして 活用できる。

SEKAI PROPERTY
→ 日本人が購入可能な海外のおすすめ不動産を集めた国内最大級の越境不動産検索ポータルサイト。世界36ヵ国の不動産物件を網羅しており、日本ではなかなか最新情報を入手できない人気の高利回り物件、非公開物件も多数取り扱っている。

ジカプロ
→ 「一棟マンション」「一棟アパート」「一棟ビル」「区分マンション」などの不動産投資(収益)物件をオンライン上で無料査定できる。会員登録することで、不動産会社に相談せずに2つの価格(収益価格と積算価格)を確認することができる。また購入ニーズ、売却ニーズを登録することで、売りたい人は売却・買取り提案を受けとれ、買いたい人は公表前物件の紹介を受けることが可能。

PMアシスト
→ 不動産管理業務支援サービス。希望の日時にアパート・マンションへお伺い出来る「腕の良い専門業者」をご紹介&ご依頼いただくことができる。いつでもどこでも1ヶ月先でも、提携業者ネットワークからオススメの方を派遣,業務ごとにあらかじめ決められた、シンプルな料金にてサービスを提供している。

Crowd Realty
→ 不動産に特化した投資型クラウドファンディング・マーケットプレイス。クラウドファンディングの仕組みを通すことで、少額投資を可能にし、より多くの方々が不動産投資をはじめることを実現できる。加えて、これまで資金調達の選択肢が少なかった小規模案件やリノベーション・開発が伴う不動産投資案件にも、対象不動産から生じる将来のキャッシュフローを基にバリュエーションを行い、市場の利回り目線を確認しながら資金調達を実施する機会を提供している。これまで資金調達が困難であった不動産関連プロジェクトの資金循環を活性化させ、地域再生や不動産の新たな価値創造に取り組むと同時に、新たな資本市場の創生も目指している。

Bitproperty
→ 不動産をグローバルに売買することを可能にするサービス。スマートコントラクト(自動執行する改ざん不能のプログラム)により不動産の権利を小口化した「BTPトークン」を発行し、ビットコインなど仮想通貨建てで販売できる。
きわめてリキッドな(=摩擦なく動かせる)特徴を持つ仮想通貨テクノロジーにより不動産の受益権を小口化し、国境を越えて誰でも売買できるようになる。

Gate.
→ AIが導き出す高精度な収益予測が可能な投資不動産取引プラットフォーム。大量のデータに基づく分析結果をもとに資産価値の下落や空室率をはじめとするリスク情報を考慮した「全期間利回り」で 安心して物件を探すことができる。購入から売却までの収支をワンクリックでシミュレーションできる。購入も売却も不動産投資の専門家がサポートしてくれ、ニーズに合わせた最適な提案をしてくれる。

KASIKA
→ 物件を探しているお客様の「見えないニーズ」をグラフなどで把握し、商談率・成約アップをサポートしてくれる不動産会社向け顧客分析&可視化サービス。お客様が物件検索しているタイミングなどアクティブなお客様の検出を定期的にメールでお知らせてくれる。初期費用なし月額20,000円~の低価格で、サイトに一行追加するだけで導入できる。

Spacely
→ 直感的な操作でウェブ再生可能な高品質のVRコンテンツを制作、編集、管理ができるクラウドソフトウェア。不動産分野を中心に観光、ギャラリーの展示アーカイブ、百貨店、レストラン等、様々な分野で活用されている。2016年11月開始以来、1年半で750社以上の利用に広がっている。VRグラスで店頭でも遠隔でもスマートに360°VRで営業活動ができる。

マンスリーエンジン
→ 入居者募集ページの自動作成からリクエストの予約受付までできるマンション管理ツール。短期賃貸物件への入居募集WEBページの自動作成からリクエスト・予約受付・契約までワンストップで完結、運用にかかわる手間を大幅に削減し、業務の効率化を実現するクラウドツール。マンスリーエンジンに登録された情報から入居者募集WEBページが自動で作成されたり、日ごとの物件の状況をひとめで把握でき、部屋割り・販売ブロック・清掃日指定を直接行うことが可能。予約管理:入居希望者からのリクエストや予約状況を一覧表示し、契約書も自動で作成され、電子署名を利用すれば紙の契約書が不要になる。

Roov
→ CAD図面からでも室内スキャンデータからでも3DCGデータを作成可能 独自開発した表示エンジンで、ブラウザー内でVR データを軽快に操作できる不動産VR内覧システム。自社独自のエンジンを開発すること。画質など、不動産取引に必要な要素だけを残すことで、スマートフォンでも快適に閲覧できるまでに軽量化に成功。これによって、不動産の3Dモデルを最適化してWebブラウザにアウトプットするという一連の流れを、ひとつのエンジンの中で完結することが可能になっている。

IESHIL
→ 中古マンションの市場価値をリアルタイムに査定するサービス。約9,000万件の賃貸情報、売買履歴などのビッグデータをもとに現在の価値を査定。不動産会社に行く前の不安解決を、専任アドバイザーとの無料相談でサポート。資産価値や利便性、治安・地盤・子育て環境などの項目を軸に、物件を多角的・客観的に定量評価している。

NUR*VE VRクラウド
→ 開発不要のVRクラウドサービス。管理画面やアプリから簡単に登録するだけでVRを実現。モデル・モーション・360°カム・写真・動画・ライブ配信など業界に特化したサービスが実現可能で、地元の店舗や近くのコンビニで気軽にVR体験できるプラットフォームを構築VR端末から「不動産」「旅行」「自動車」「ウェディング」など無限のサービスにつながる可能性があります。

じぶん仲介
→ 引越し希望者が今住んでいる住民に教えてもらいながら、部屋を探すことができるアプリ。匿名で安全に、実際に住んでいるから分かる情報をGET。お気に入りの物件がみつかれば、不動産会社にお問い合わせ。Googleストリートビューとも連動し、バーチャルお散歩もできる。お部屋情報の画面では、実際に住む人の投稿で空き予定の部屋が見つかるというサービス。

みんぱーく
→ 民泊運営の許可が出た物件を検索できる民泊物件専門サイト。全国の物件オーナー・不動産会社から提供された民泊・転貸許可物件を集約し、民泊運営希望者にそれらの物件を紹介してくれ、物件紹介だけでなく民泊運営に関するアドバイスもしてくれる。物件ごとに民泊運営に長く携わってきたメンバーが独自に算出した高精度の予想収益を確認できる。十分な利益が出せないと判断した物件は掲載から除外されているため、高稼働率を期待できる物件が掲載されている。現在、東京都心を中心として物件を掲載されている。

Grooon
→ VRパノラマツアー作成サービス。操作がわかりやすく、誰でも約10分でツアーを作成できる。発行するHTMLタグを貼り付けるだけで、Webサイトにツアーを表示できる。パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットでの閲覧にも対応している。「VRパノラマツアー」を導入すると、写真よりも臨場感あふれるプロモーションが実現できる。ホテルや旅館、商業施設などの施設案内、結婚式場やレストランの店内紹介、住宅やマンションの内覧、遊園地やテーマパークのバーチャル体験などに活用できる。

warp
→ 不動産賃貸業者様向けの、お客様を内見に案内するコストを削減するソリューションサービス。物件管理システム情報をそのまま取り込むだけで、利用できる。

◆ Retech ~ まとめ ~

Retechは、フィンテック(FinTech)に続くイノベーションとして注目され始めています。不動産業界は、昔から問題視されてきた“情報の非対称性”が原因となる業界構造上の課題が依然として存在しているのが現状です。他にも、住宅ローン、賃貸契約時の礼金や更新料の問題など消費者にとって不動産取引は複雑で不透明なままです。ですが、“情報の非対称性”や“ヒトや情報のマッチング”などの課題は、テクノロジーと親和性が高く、Retech系のサービスによって解決できるという風に考えられています。

IT化が進むことで、冒頭にお伝えしたように①情報の可視化 価格の透明性②AIによる正確なレコメンド③視覚的アプローチの変化が期待されます。“情報の非対称性”や“ヒトや情報のマッチング”の課題の解決、VR技術による遠方からの不動産閲覧やAR技術による不動産の仕組み検討など今の業界課題をできるポテンシャルのあるテクノロジーです。どのような広がりを見せるのか、Edtech市場の今後が楽しみです。


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